会議が終わった後、HiDockで音声を録音し、Gensparkで議事録を生成していた。
出力自体は速い。精度もそれなりにある。
ただ、実際に使おうとすると3つの問題が出てきた。
- テキストの羅列で視覚的な情報がゼロ
- 長すぎて読む気が失せる
- ファイルとして出力できない
「議事録として正確」ではあるが、「資料として使える」ものではなかった。
そこでClaude Code(以下Claude Code)に解決してもらうことにした。
Claude Codeに渡したのは3つのデータ
Claude Codeに読み込ませたのは以下の3つだ。
- HiDockで録音したMP3データ
- HiNoteが生成した議事録
- Gensparkが生成した議事録
指示はシンプルだった。
「この3つを統合して、見出しと色を使った見やすいWord形式の議事録を作ってください」
結果、Claude Codeは約10分でWord形式のファイルを出力した。見出しがあり、重要箇所に色が付いており、アクション項目が明確に分離された資料だった。
HiDockとGensparkの出力を「素材」として使い、Claude Codeが「編集者」として再構成したイメージだ。
最初の出力では3つの課題が残った
ただし、最初の出力がそのまま使えたわけではない。実際に読み込んでみると3つの課題が見つかった。
① 認識違いと誤変換
音声認識の限界から、固有名詞や専門用語の誤変換が複数あった。人名・地名・組織名などは特に注意が必要だ。AIが「それらしい言葉」に変換してしまうため、事実と異なる内容が紛れ込む。
② 議事録としての表現
Claude Codeが生成する文章は読みやすいが、議事録特有の簡潔な表現とは異なる部分があった。「〜しました」「〜と思います」といった冗長な表現が残っており、議事録らしい「〜することを確認」「〜を検討する」という形式に整える必要があった。
③ 要配慮情報の取り扱い
会議の性質上、参加者に関わる要配慮個人情報が含まれていた。これをそのまま議事録に記載するわけにはいかない。AIがそのまま出力してしまう点は、業務利用における最大の注意点だ。
「修正プロセス自体」をClaude Codeに学習させた
ここからが本質的な話だ。
修正作業を終えた後、以下の3つをClaude Codeに再度読み込ませた。
- 最初の出力ファイル(修正前)
- 手直し後のファイル(修正後)
- 要配慮情報の変換方針(どう表現を変えるかのルール)
そして指示した。
「この修正前後の差分と変換方針を踏まえて、次回の議事録作成に使えるプロンプトを作ってください」
Claude Codeは修正パターンを分析し、次回以降の議事録作成用プロンプトを自動生成した。
これにより、次回の会議では最初から修正済みに近いクオリティの議事録が出力されるようになった。
作業時間の比較
| 工程 | 従来 | CC導入後 |
|---|---|---|
| 議事録の初稿生成 | 30〜60分 | 10分 |
| 修正・整形作業 | 30〜60分 | 40分 |
| プロンプト資産化 | なし | 10分 |
| 合計(初回) | 60〜120分 | 約60分 |
| 合計(2回目以降) | 60〜120分 | 約30分(見込み) |
初回は従来とほぼ同じ時間だった。しかし重要なのは2回目以降だ。修正パターンをプロンプトに組み込んだことで、次回以降の作業時間は大幅に短縮される見込みだ。
業務でAIを使う際の3つの注意点
今回の経験から、業務でAIを使う際に重要だと感じた点を整理する。
1. AIの出力を「完成品」と思わない
HiDockもGensparkもCCも、出力はあくまで「素材」だ。人間が確認・修正することを前提に使う必要がある。特に固有名詞・数字・人物に関わる情報は必ず目視確認する。
2. 要配慮情報の取り扱いルールを先に決める
会議の内容によっては、個人情報や機密情報が含まれる。AIに処理させる前に「どの情報をどう表現するか」の変換方針を策定しておくことが必須だ。後付けで対応しようとすると、修正漏れのリスクが高まる。
3. 修正プロセスを資産化する
修正作業を「消耗」で終わらせない。修正前後のファイルと変換方針をAIに学習させ、次回以降のプロンプトに反映することで、作業は毎回改善される。
編集部の結論
こんな人に特におすすめ
- 会議が多い管理職・士業・コンサルタント:議事録作成の時間を半減できる
- 既にAI議事録ツールを使っている人:Claude Codeと組み合わせることで出力品質が上がる
- 要配慮情報を扱う業種:変換方針の策定とプロンプト化が特に有効
AI議事録ツールは「速い」が「使える」とは限らない。CCをその間に挟むことで、速さと品質を両立できる。そして修正プロセスを資産化することで、AIは使うたびに賢くなる。
これが、単なる「AI活用」ではなく「知的資産の蓄積」だと筆者は考えている。

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